「お帰りなさいませ、ご主人様」


文化祭……なんでこうなってるの?


今日は、待ちに待った文化祭。


仮装カフェって聞いてて、似合うの考えておいてくれるって言ってたけど、なんでこれ?


「真奈ちゃん、似合ってる!」


「さあさあ、水瀬君に見せておいでよ!」


衣装係の2人に言われて、教室に戻る。


私が倒れて以来、クラスの女の子たちは何か勘違いをしてる気がする。


「……水瀬君」


入るなり、小さな声でそう言う。


「あ……」


そう言ったきり、何も言ってくれないから恥ずかしくて顔を伏せてしまう。


「真奈、可愛い」


耳元で囁かれ、顔を上げると顔を真っ赤にした水瀬君が立っていた。


め、珍しい。


「……っ」


「襲いたいくらい」


「なっ……」


再度囁かれ、私の恥ずかしさは許容量を超えた。