すうっと熱が奪われていく。


さあっと血の気が引いていく。


「ほん、とうに？」


「ええ。圭君の返事次第よ。それと、佐倉真奈さん」


水瀬君の、返事次第……。


「圭君のこと、私はあなたよりも知ってる。昔から一緒にいたから。だから、あなたには負けない」


凛とした表情で言われた。


「私だって……。まだ会って半年しか経ってないけど、水瀬君のこと、少しくらい……知ってる、はずです」


情けない……。


言葉も、声も、自信も、全てに置いて負けてるのがわかる。


「ふふっ、まあ、楽しみね」


そう言い残して、七海さんは去って行った。


水瀬君は、七海さんと付き合ってた。


そして2人が別れたのは、不本意。


再度、チャンスが巡って来てる……。


こんなの、水瀬君、絶対に七海さんとより戻すよ……。


でも、水瀬君が好き。


諦め、たくない。