「じゃあ、皆さんお疲れ様でした！解散！」


実行委員の人の言葉を聞いて何人かの人が立ち上がって教室から出ていく。


私たちの学校では、1週間後に文化祭がある。


今日は、その準備の日。


「あ、あの子、前の時の子じゃね？」


1人の男の子が窓を見ながら言った。


「あ、ほんとだ。水瀬、行かなくていいのか？」


「来るって聞いてないけど、帰りに声かけてくよ」


家にいる時とは別人の水瀬君の声を聞きながら帰る準備をする。


「圭、帰ろ」


「わかった。ねえ、佐倉さん」


そう呼ばれ、振り返ると水瀬君が顔を寄せて来た。


「真奈、一緒に帰るぞ」


じわっと頰に熱が集まる。


「わ、わかった」


「真奈、帰ろー」


紗里奈と如月君も一緒に私たちは、帰ることになった。