「マジかよ」


そう言って、そっぽを向いてしまった水瀬君の顔を覗き込みながら、笑う。


「もう、いいよね?」


そう聞くと、水瀬君は少し赤くなった顔のまま、言った。


「ああ。むしろ早く着替えろ」


そっちが着ろって言ったくせに。


毒づきながらリビングを出て、お風呂の脱衣所で着替える。


布面積がいっぱいあるって、幸せなことだな……。


「水瀬君、もうそろそろ遅いし私帰るね」


「ああ」


まだ赤い顔をしたまま、水瀬君が言った。


「バカ、俺の理性がもたねーよ」


そう言った水瀬君の声は、もうわたしには聞こえていなかった。