「家族をこんなに感動させておいて、理太腹黒すぎ!」


「だってこうしないと素直は、俺にプレゼントくれないんでしょ。お願いした、”ふたりっきりの誕生日”」


柔らかに笑う理太に、流れるように自然にソファに導かれ、隣合って座ってしまった。



「それはもちろん、あげるつもりなかったけど……」


「ひどー」


「でも違うプレゼントなら、用意しといたんだよ!」


「え?」


意外だったのか、驚いてるみたい。理太の動きが止まっている。



「そんな期待しないでね……? 誕生日おめでとー、理太!」



隠していた小さな箱をそっと渡すと、理太が思わずと言った様子ではにかんだ。


「用意してくれるなんて思ってなかったから、びっくりした。ありがとう」


ふわりと綻ぶ微笑みに、ドッキンと胸が鳴ったことは、絶対にバレてはいけない。



「開けてもいい?」


「なんか理太、すっごいわくわくしてない?」


「んー、ちょっとサンタが来た気分」



嬉しそうに箱の蓋を開ける理太が……、くやしいほど可愛い……。


うん、やっぱり可愛いって言ったことは、全然嘘じゃない。


プレゼントのおかげで機嫌も直ってるみたいだし……?


あーかわいい。そういう顔してると、兄ってより弟っぽいかもなぁ。