――カツン、コツン。



睡魔と戦うように目を開く。


寝ぼけながら、その音がした方を見てみれば。



ベッドの金属の柵に、スマホを一定リズムで当てている人がいた。


……理太だ。



「……種明かししてから寝た方がいいかなって。優しいよねー俺?」



にやりと笑う、あの悪魔の笑みは……夢じゃない、現実……だ。



ああ、でも、眠い。



……またあたしは、はめられたんだ。理太め……。



お化けじゃなくてよかったけど、理太、許さない……。


「……ばか、理太ぁ」



そこで眠気に負けたあたしは、


こときれるように理太の胸にしがみついて、寝てしまった。