そう言って、首に顔をうずめた理太は、柔らかくキスを降らせる。


「なっ、ん。何、してんの……!?」



身をよじるあたしの手をぎゅっと掴んだ理太は、静かに見下ろしていった。


「ねー、素直って俺のことなんだと思ってんの?」


「何って……天然たら、いや、義理のきょうだいですけど……」


「義理の兄妹って血のつながりもなんにもない、ただの男と女だよね?」


「う、うん」


「なのにノコノコと部屋に来ちゃって。今の図って、飢餓の狼に招かれたごちそうなんだけど、わかる?」


「狼!? どこ?」


「物のたとえ。はー、馬鹿ってやだ」



呆れっぽくため息を吐いて、理太はあたしの首元に指をかけた。


ヘーゼルの瞳があたしを貫く。



「……危機感もてよ?」



――プチン。



今、ボタンが一つ外された……。