でも、まさかそんなことって……嫌いなものを押し付けていたなんて。


しかもこっちからしたら好物の牛乳を押し付けて、無理やり飲ませてたなんて……。


あたしって、本当に理太にいやがらせしかしてないじゃん!



こりゃ振られるわ……。納得だ。



あたしって、本当に恋愛のセンスなかったんだな……。



布団の中で、ぎゅっと理太のかたい体を抱きしめる。



「急に力くわえてきて、どーした?」


「それは……」



過去の自分が恥ずかしすぎて!



「素直、寂しくなっちゃった?」



なんていいながら、トン、トン、とあたしの背中を赤子を寝かしつけるみたいに叩く理太。



そんな母性みたいなものに触れたら、本当に寂しくなるのが人間だと思う。


「……うん」


「もうすぐおじさんも帰ってくるって」


「麻子さんも一緒にね」



だから理太も寂しくないよって意味で言ったのに。



「そんな拗ねるなって。おじさんは母さんのことが好きだけど、娘にかなうわけないんだからさ」




って、これじゃまるであたしが麻子さんにやきもちを妬くファザコンみたいじゃん!


勘弁してほしいよ。


でも本気で慰めてくれている理太に合わせておこう。



だって、心地いいんだもん。



「うん……」



あったかいな……理太。


なんか眠くなってくるよ。