友達たちからほんの少し離れたところに移り、気もそぞろに男子と会話する。



「素直ちゃんのこと、前から明るくてかわいい子だなーって気になってたんだー。だし、連絡先教えてくれない?」


「あー……ごめん! スマホ忘れてきちゃったんだよね」



あいまいに笑いながら遠回りに拒否したのに、この男子には通じなかったようで、連絡先の書かれたメモを渡されてしまった。



そんなあたしの様子を友達たちは、興味津々にチラ見している。


まずい……。


一刻も早くあの輪に戻らないと、人生が終わる。