「……ッ、またからかったの!?」



「そっちが揶揄(からか)いたくさせるんでしょ。あ、テレビついたよ」


そう言われてパッと顔を向けた画面は、真っ暗だ。


徐々に薄明るくなってくるにつれて、恨めしそうにこっちを睨む一人のセーラー服を着た少女が浮かび上がってきて……。


――『やっと、見つけた』


雑音の混ざった声と一緒にカメラのアングルが一気に近づき、ぎりぎりと裂けていく口元……ッ!!


「ぎゃー!!! これホラーじゃん! あたし見ないから!」


「これって、オープニングを少しでも見たらエンディングまで見ないと呪われるってことで有名な映画だよ」


「う、うそ……嘘だ!!」


「信じないならいいけど、夜怖くなっても助けてやんないからね」


「……え……、え……?」