「課ちょ……誠さんは、別枠なので。
ほら、好きな人ですし他の従業員と同ランクにするのは……失礼かと」
必死に無理やり、言い訳を言って誤魔化した。
さすがに無理があるだろうか?
ごめんなさい……課長。
ちょっと罪悪感が残るけど仕方がないのよ。
「なるほど。確か同じ枠だと変ですね」
「まぁ、誠ったら愛されちゃって。
良かったわ~きっと、もっといいランクなのね」
お母様が満足そうに言ってきた。
何とか場を和ませて料理を作るのを再開させた。
そして出来た料理を客室のテーブルに持って行く。
すると課長と目が合った。
しかし、目線を逸らされてしまう。
えっ?課長!?どうして目線を逸らすんですか?
しかも微妙に不機嫌になっているし。
私……何かやったのだろうか?
混乱しているとお母様がニコニコしていた。
「あなた。この筑前煮は、菜々子さんが作ってくれたんですよ」
お父様に私の作った筑前煮を勧めてきた。
「うむ、頂こうか」とお父様が私の作った筑前煮を口につけてくれる。
うわぁ~何だかドキドキする。
義理の父親になる人の口に合うだろうか?
「うむ。旨いな。味付けもしっかりついていて、私好みだ」
「本当ですか!?良かった~」
どうやら、お父様の口に合ったようだった。
褒めてもらいホッと胸を撫で下ろした。
その後も何とか楽しくて過ごせたと思う。
1人除いてだが……。
課長がお酒を飲んだため実家に泊まらせてもらい、明日早くに帰ることになった。
課長があれから一言も喋らない。
部屋は、客間にしてもらったのだが、気になり課長の部屋を訪れることにする。
ご両親や裕太君達とは、話していたのだが私には、話しかけてもくれないし……。
間違いない。課長……私に怒っているんだわ!!
な、何で!?私……課長に何かした?
も、もしかしてキッチンでのやり取りを聞かれたとか?
有りえる。昔もそれで失敗したのだ。
そう考えれば、機嫌悪くなったのも頷ける……。