-2時間後-
私たち3人はミステリー映画を見ていた。
「絶対こいつが犯人だろ。」
と優太くんが自分の推理を披露する。

するとういが
「アリバイはあるけどアリバイ工作してる可能性もあるよね。やっぱり証拠に欠けるかな〜?」
と私にはちょっとわからない本格的な話を始め、遂に犯人がわかると、


「あぁ!この人か!あっ!大事なところ見逃してるじゃん私たち。」
しまいには「「もう一回みていい?蒔織?」」
と言う始末。


それには思わず私も笑ってしまう。
「仕方ないなぁ。いいよ?」
と私が言うと2人はぱあっ!と笑顔になり


「よし、ぜってぇ犯人当ててやる。神崎行くぞ」
「もちろん!蒔織ちゃんのためにも当ててみせる!」


 ちなみにこの映画のあらすじは、『ある大学のミステリー同好会の会員が前代未聞の密室殺人に巻き込まれる』というもの。


 映画の内容が内容で、結局この映画を3回見るハメに…まあ、いいけど。
「そろそろ寝るか。2人ともおやすみ」
と言って優太くんが部屋から出て行く。


 ういも遅くなったことに気がつくと、
「私も寝るかな、蒔織おやすみ」
と言って部屋に戻っていった。


台風の影響か、風の音がうるさかった。

-翌日の朝-


 目が覚めて、部屋から出るとういも起きたようでそれに少し居間が騒がしい。
「どうしたんだろう。川嶋くん起こしてから行こうか。」
「そうだね。」


川嶋くんを起こし、3人で居間に降りると、里美ねえが来ていた。どうりで今が騒がしかったんだ。パパとママはまだみたい。

「蒔織!久しぶり。名古屋から戻ったらみんな別荘にいるっていうし、紘もまだイギリスにいるし、さみしいから来ちゃった!」
なんて小さく舌を出して言う里美ねえ。


「そういえば、お父さんとお母さんは?」
と里美ねえがパパとママがまだなことに気づく。
「里美ねえ、私呼んでくるよ!」
と言って理沙さんがパパとママを呼びにいく。


しばらくしてパパと理沙ねえが戻ってくる。
「お母さんは?」と里美ねえが尋ねる。
「それがね、どこを探しても見つからないの。」


「え…嘘でしょ?探しに行かないと。」
と里美ねえが言う。
「それは必要ないみたいだよ。」
この叔父さんの言葉で全員が固まる。
「外を見てごらん。」叔父さんの視線の先には


  ママが倒れていた。


「お母さん?!急いで助けないと?!」と言う理沙ねえ。理沙ねえのこの言葉を合図にみんなで外に出た。
「だめだ。死んでる。」
医師免許を持っている叔父さんがしっかり検死をしていく。