風呂に入ったあと、今日のことを記録している時にスマホが揺れた。

ブーブーと激しいバイブ音が鳴り、しばらくして止んだ。

スマホを手に取り、画面を開いて見てみると、そこにはおばさんの名前があった。

月1の生活指導の日が決まったというわけか。

話すと長くて面倒だし、要件も分かっているから大抵出ないんだ。

1人暮らしもおばさんの目が光っているから、そんなに楽でもない。

それに家賃以外は全部バイト代から支払っているし、それなりにカツカツだ。

けど、

それでも、だ。

彼には何かしてあげたくなったのだ。

ワンコこと、市ヶ谷朔空。

ワンコにはなぜか奉仕してしまいたくなるんだ。

誰かのために何かをしたい。

そういう思いはずっとあるのだけれど、こんなにも1人に固執するのは初めてだった。

女子生徒を飛び込んで助けたあの瞬間から、胸のど真ん中に在り続ける。

この気持ちは一体...

一体、なんだろう?

なんてごちゃごちゃ考えていても埒が明かないので、私はひとまず寝ることにした。

目覚めた時に名前のないこの気持ちが整理されて輪郭を帯びることを切に願いながら、そっと目を閉じた。