さてと、私の考えはおおよそ伝えたし、大分浸透してきているようだから、この辺で最後の仕事と致しますか。

私は人集りの1番後ろで震えながら話を聞いていた楠木さんの元に向かった。

そして、楠木さんのことを優しく抱き締めた。

楠木さんの温度が伝わってくる。

優しくて温かくて、

佐伯さんに羨まれるくらいの魅力的な人柄が伝わってきた。

呼吸は荒い。

ずっと苦しかったんだろう。

今までずっと誰かに救われたくて、

誰かに抱き締められて、

その胸で思う存分泣きたかったんだろう。

なら、全部私が受け止める。

それが私に出来る最善のことだ。