「市ヶ谷くん、右に回れ!」


ん?

この声は......。

オレの視界に飛び込んで来たのは、美河原くんだった。


「了解!」


オレが右から、美河原くんが左から回り込み、泥棒に飛びかかった。


「お前ら、なんなんだ?!どけっ!」


泥棒は騒いでいるが、無事確保した。


「観念しろ」


そして、最後は美河原くんが柔道の技でなぎ倒した。

オレより数千倍カッケーな。

オレはただそれを見届けて、手を差し出すだけだ。


「それを返せ」


なんか、ここだけ決めても仕方がない気がする。


「すまなかった...」


オレは泥棒から羽依のバッグを返してもらったが、自分の行動に納得はいっていなかった。

後で反省だな。

今はひとまず羽依に渡そう。