「ワンコも食べてくださいねー。ほれ、これ、ワンコの分っす。確かベリー系好きでしたよね?」


久遠が皿を差し出す。


「ゆっち先輩に言われてわたしが盛り付けしたので綺麗ですよ!」

「そうっす。にゃんにゃんがわざわざ丁寧に盛り付けてくれたんすよ。なんで、食べて下さい。ほれ、早く。あなたの送別会でもあるんすから」


久遠がフォークを突きつけてくる。

殺す気かよ。

ってか、なんで...


「なんで、分かるんだよ」

「は?何が?」

「ベリー系が好きって、何でわかんだよって聞いてんだ」

「いや、ワンコの目を見れば分かりますよ。視線で分かるんす。

人間は気になる相手のことは目に入りますからねー。

それはものに対しても一緒っす。好きなものは目に入るんす」

「そう、か...」