オレの左耳に無線が入った。


「ワンコ、もう大丈夫っす。退散して下さい」


久遠、

お前まで諦めるのか。

なら、オレは諦めない。

このまま直進する。


「未来なんてどうなるかわかりません。心が離れるかもしれないとか、そんな仮説の話をしたってしょうがないんです。大事なのは今だから。今の気持ちなんです」


そうだ......

今、なんだ。

昔とか明日とか、1年後とか、その先の未来とか、

そんなのは関係ない。

呼吸している今を、

今思うことを正直に伝えるべきなんだ。

受け入れるべきなんだ。

自分で言っておきながら、妙に納得してしまったが、オレはこれが正しいと思って生きていくしかない。

それがオレの思いであり、考えであり、
答えだ。


「だから、これを受け取って読んでそれから答えを出して下さい」


矢野さんは首を真横に振った。

ダメか...。

なら、どうすれば...。