「ゆっちせんぱ~いっ!」


背後でにゃんにゃんの声がした。

ちらっと振り返ると、ひなとにゃんにゃんが久遠に駆け寄っていた。

久遠は首を振るばかりで口は動かしていなかった。

ただバッグにつけたキーホルダーを握りしめ、こちらに背を向け、歩き出した。

オレはそれを見て胸がじんじんと痛くなった。

まるで麻酔が効いていくように、徐々に全身に痛みが広がる。

なぜこんなに苦しいんだ?

なぜこんなに痛いんだ?

なぜこんなに辛いんだ?

なぜ......

なぜ、久遠を思うとこんなに......

こんなに......。

その答えを出せぬまま、オレは当日を迎えることになった。