「一緒に帰ろうとしてましたよね?」

「あっ、はい。同じ方向なので、自転車に乗せてもらおうかと」

「そういうの......止めて下さい」


羽依の右手に込める力が強くなる。

肩を震わせ、今にも泣き出しそうだ。

久遠は痛そうにしていないが、一瞬ぴくりと眉が動いたのが分かった。

オレは今どうするべきなのだろう。

この状況は一体どういう......


「この前も......この前も久遠さん、さっくんのお家まで来てましたよね?

ももの缶詰めあったから分かるんです。

余計なお世話です。さっくんにはわたしがいますから、久遠さんは部長として部活の中だけで関わってくれれば良いんです。

お願い出来ますか?」


久遠の右手が羽依の右手に触れた。

羽依ははっとしたようで、すぐに払いのけた。