「あ」


久遠が小さく呟いた。

その視線の先にいたのは、羽依だった。


「さっくん!」


羽依が駆け寄ってくる。

オレの心臓が激しく動く。

バクバクバクと血液が体内を巡る。

おいおいおい、これは何だよ...。

修羅場ってやつか。

嫌な予感しかしない。

小走りでやって来た羽依が久遠を見つめる。


「こんばんは。久遠さんですよね?」

「どーも、こんばんは。んじゃあ、私はこれで」


久遠が背を向ける。

羽依はそんな久遠を逃しはしなかった。

羽依は久遠の腕をぐっと掴んだ。