――ブーブー...。


スマホが音を立てた。

こんな時に誰だよ、なんて思わない。

こんな時に、送ってくるのは......


――大丈夫っすか？

――早く治してくださいねー。

――スイ天お忘れなく。

――では、お大事にー。


久遠由紗しかいなかった。

答えはオレの胸の中にしかない。

なら、探そう。

傷付いても、

傷付けても、

探そう。

オレの欲しいものが、オレの手のひらからすり抜けていく前に...。