「久遠」

「なんすか?」


数学の大問を解き終えたところでワンコのペンが止まった。

問題集から私に視線が移る。


「久遠はさ、夢とかあるのか?こんだけ勉強出来るんなら、もちろん医者とか弁護士目指すんだろ?」


ほう。

その質問すか。


「質問は1日5つまでで、残り3つすけど、そのうち1つをこの質問に使うんすか?」

「あぁ。別に構わない。オレ、久遠のこと知りたいし」


知りたい、か。

知っても苦しいことの方が多そうっすけどね。


「なら、教えましょう。その前にワンコっす。ワンコの夢はなんすか?あー、カノジョさんとの結婚がゴールとか言わないで下さいねー」

「なっ...!そんなこというか、バカ」

「すみません、杞憂でした。では、どうぞ」