「なぁ、久遠。この問題分かるか?」

「あー、はい。ちょっと見せて下さい」


私はワンコの専属家庭教師になり、毎日5問までと決め、勉強を教えていた。

決めないと際限なく聞いてきて、自分で勉強するという習慣が身に付かないからだ。

一応これでも私の優しさだ。


「久遠はすげえよな。見たらパッと解けるなんて、天才かよ」

「天才ではないっす。

こういう出題傾向がはっきりしている問題に関しては反復練習をすれば、それなりに点数が取れます。

大事なのは繰り返し解いて求められている答えを導くための方法を覚えることっす」

「へー!そうかそうか。分かった。教えてくれてありがと」

「へい、どーも」


ワンコの素晴らしき点は素直さ故の吸収力だ。

前期にテスト勉強をした時も、教えた翌々日にはすらすらと解けるようになっていた。

そういう人だとこちらも教えがいがある。