「えっ?もしかして市ヶ谷くん?」

「うそ?!なんでこんな格好してるの?」

「なんかイタイけど、カッコいい!!」


あははは。

バレバレか。

でもしゃあないな。

もう完全にサンタ設定は意味を成していないが、このままいくっきゃない。


「サンタから受験を頑張っている皆様に少しばかりですが、プレゼントがあります!どうぞ受け取ってください!メリークリスマスです!」


敬語で話すサンタなど本来はいないだろうが、先輩を前にすると敬語が自然に出てきてしまう。

敬語サンタは震える手で1人1人にプレゼントを手渡しした。

その調子で残りの先輩達のクラスにも渡しにいった。

なぜオレが3年担当なのか、割り振ったひなの意図は分からないが、他の3人がやるよりもまともにやれてはいるだろう。

ルナだったら緊張してぶるぶる震えてプレゼントを渡すどころじゃなかっただろうし、

にゃんにゃんはハイテンションで乗り切ろうとして空回りしそうだから、やはりオレが適任だったのだ。

無理矢理な解釈だが、そういうことにしておこう。

ということで、無事全部を渡しきり、恥を捨てたサンタは最後にはメリークリスマスと叫びながらスキップをして部室へと帰った。

トナカイがいなかった設定の妙に気づいたのはサンタ帽を外した時だったのだった。