「朝からすっごい剣幕だな。それにしても良く分かったな~。君に用があるって」

「お前だな。久遠をハメたのは」


ヤツはふっと笑った。


「ハメた?何のことだかさっぱり」

「とぼけるな!お前が文化祭で久遠に危害を加え、久遠も美郷先生も陥れたんだろ!」


オレはヤツの胸倉を掴んで叫んだ。

教室で息を潜めていた生徒達がざわつき出す。

しまった...。

こんなところで大声出したら、今度はオレが......。


「オレは新聞部として取材をし、真実を見つけただけだ。記事にしなかっただけありがたいと思え。まぁ、顧問に止められなかったら記事にしていたけどな」

「お前っ...」


殴りたくなるのを必死に堪えた。

拳を強く握り過ぎて皮膚に爪が食い込む。

くそっ...。

コイツにオレは何も出来ないのか。

何か出来ることはないのか。


「手、離してくれないかな?俺も争うつもりはないから」


オレは言われた通り、ヤツから手を離した。

ヤツはまたふっと笑い、オレの肩に手を乗せた。