それからも数曲、有名なバンドの冬の曲を歌い上げ、あっという間に最後の曲になった。


「遂に最後っすね」

「はい」


最後の曲はこの日のために、村岡さんが新たに作詞作曲した曲だった。

タイトルは、"eternal memories"。

これも最初と同じく、バラード調の曲だ。

村岡さんが福原さんと離れて感じた痛みや苦しみを前半の歌詞に詰め込み、

後半は負の感情に飲まれながらでもいいから、未来へと歩いていこうというメッセージが込められた歌詞だった。

演奏が終わるや否や拍手が沸き起こった。


「アンコール、アンコール、アンコール、アンコールっ!」


福原さん自らが声を出し、手を叩く。

周りもアンコールと叫ぶ。

会場がら1つになり、新たな音を紡ぎ出す。

それが、音楽の持つ力なのだと、私は初めて知った。