「久遠、手、震えてるぞ」

「あ」


私は咄嗟に手を離した。

まずい。

見られた。

まだ誰にも気付かれてないのに。


「久遠、強がるなよ。ちゃんと助けてって叫べよ。そしたら、俺が...俺が久遠を助けに行くから。いいな?」

「いえ、結構っす」

「結構じゃねえ。お前には前科がある。

久遠は決して弱味を見せないやつだ。そんなやつの言葉、信用出来ない。

オレはこれ以上久遠が傷付くのを見たくない。

だから、嫌な予感がしたら飛んでいく。分かったか?

まぁ、お前が分からなくても行くけどな」