「市ヶ谷くん、お疲れ」


店長が戻ってくる。

客がいないからしばし休憩らしい。

店長は最近体を気遣ってか禁煙していてガムばかり食べている。

お陰で爽やかな空気が辺りに漂っていた。


「お疲れ様です。では、お先失礼します」

「あぁ、ちょっと待って」


リュックを背負い、帰ろうとすると、店長がオレの肩に手を乗せた。


「あの娘、噂のカノジョなんだろう?すごく良い子じゃないか。大事にしろよ」

「いや、アイツはそんなんじゃなくて、カノジョは別にいます。アイツより何倍も可愛いです」