「楓花ちゃん、キレイだね...」
「でももうこの世にいないんだもんね...」
「うん...」
「ワタシ、まだ信じられないよ...」
そう。
桃井さんは亡くなった。
私がそれを知ったのは10日ほど前のことだった。
柳田先生から夜遅くに電話がかかってきて何事かと思って出てみたら、訃報だったのだ。
お葬式は家族密葬で執り行われ、私は部長として後日桃井さんのご実家を伺った。
お母様も旦那様も哀しんではいたけれど、私の顔を見ると、笑ってくれた。
――あなたのお陰で娘は悔いなくこの世を去ることができたわ。
――ありがとう。
お母様にはそう言われた。
その"ありがとう"が私の心の中でずっと淡い光を持ち、照らし続けている。
たくさんの人からの"ありがとう"が私の生きる糧なのだ。
"ありがとう"を言われることが、私が生きて良い証になるのだ。
だから、こちらこそありがとう、なんす。
私は目頭を押さえ、深呼吸をしてから顔を上げた。
そして、純白のウエディングドレスに身を包み、日溜まりのように優しい笑顔を向ける桃井さんに深く頭を下げた。
こちらこそ、ありがとうございました。
「でももうこの世にいないんだもんね...」
「うん...」
「ワタシ、まだ信じられないよ...」
そう。
桃井さんは亡くなった。
私がそれを知ったのは10日ほど前のことだった。
柳田先生から夜遅くに電話がかかってきて何事かと思って出てみたら、訃報だったのだ。
お葬式は家族密葬で執り行われ、私は部長として後日桃井さんのご実家を伺った。
お母様も旦那様も哀しんではいたけれど、私の顔を見ると、笑ってくれた。
――あなたのお陰で娘は悔いなくこの世を去ることができたわ。
――ありがとう。
お母様にはそう言われた。
その"ありがとう"が私の心の中でずっと淡い光を持ち、照らし続けている。
たくさんの人からの"ありがとう"が私の生きる糧なのだ。
"ありがとう"を言われることが、私が生きて良い証になるのだ。
だから、こちらこそありがとう、なんす。
私は目頭を押さえ、深呼吸をしてから顔を上げた。
そして、純白のウエディングドレスに身を包み、日溜まりのように優しい笑顔を向ける桃井さんに深く頭を下げた。
こちらこそ、ありがとうございました。



