「ワンコ、みーっけ」

「えっ?もしかして、久遠?!」

「そうっすよ。なんすか、その顔。

ってか、すごいっすね。白衣が黒衣になってるじゃないっすか。

注射器まで持っちゃって、気合い入ってますねー。

これは女性の黄色い歓声狙いでしょうか?」

「ちげーよ。演出だ。やりたくてやってるわけじゃない」

「ふーん」


それにしても粋な演出だ。

イケメン医師に首もとを注射されるというラストにするとは、なかなか考えたものだ。

台本を書いた人に拍手を送ろう。

パチパチーっ。


「おい、いつまでいるんだよ。早く出ろ」

「そうっすね。さっさと出まーす。お邪魔しましたー」


私は言われた通り最後は早足でお化け屋敷を出た。

うん、なかなか面白かった。

また明日も来ていじってやろう。

そんなことを思いながら、次は後輩たちの教室に行った。