「久遠、おんぶと抱っこ、どっちがいい?」

「は?」

「早く答えろ。こっちだって恥ずかしいんだから」

「んじゃあ......ワンコの楽な方で」


......了解。

オレはぼろぼろになった久遠を抱き上げた。


「首に手を回せ」

「ほんと......すんませんね......。私みたいなやつを......助けて...頂いて」

「喋んなくていい。辛いだろ」

「へい...」


やっと、素直になったか。

久遠は口をつぐみ、目を閉じていた。

周りからはワーキャーと悲鳴が上がる。

だが、そんなのは気にしない。

久遠にも気を遣わせたくない。

だって、コイツは誰よりも人に気を使って人のために生きてるやつだから。