「久遠!しっかりしろ!今、保健室に連れてってやるから」

「ワンコ...。戻って下さい。私は大丈夫なんで...」


大丈夫?

んなわけ、ねえだろ...。


「カッコつけんな!オレのこと、呼んだだろ!オレには聞こえたんだ!お前がワンコって言ってるのが聞こえたんだ!」

「そんなこと、いうわけないっしょ......。あそこで叫んだら、ワンコ、負け決定だったんすよ...」


そうか...。

いや、でも、オレには確かに聞こえた。

久遠がオレを呼ぶ声が聞こえたんだ。

空耳、だったのか?

でも、

聞こえちまったんだし、

もうトラックの外だし、

競技は終わったんだし、

オレのしたいようにすればいいだろ?

オレは後悔したくない。

だから、オレは......

久遠を救う。