「さっく~ん!」


オレが会場入った直後に羽依の声が聞こえた。

オレは声のする方へ顔を向け、羽依に向かって手を振った。

だが、勘違いする女子は多く、ぶんぶん手を振ってワーキャー歓声を上げていた。

この声の中集中することは容易ではないが、オレはゆっくりと深呼吸を2度した。

顔を上げると、視線の先には美河原くんがいた。

あちらも戦闘体制のようでこちらをぎろりと睨み付けてくる。

この目に吸い込まれるな。

オレのペースで確実に攻めていこう。

よしっ、行くぞ。


「では、ただいまより1年E組市ヶ谷朔空くん、1年F組美河原伊織くんの試合を始めます!」


ここからオレの試合は始まった。