1人きり、だ。

部員には1人暮らしとは伝えてあるが、その詳しい事情は教えていない。

何せ、重い話だからだ。


「お母さん...」


呟いたって母は返事をしてくれない。

戻ってなんて来ない。

それでも、あの温もりは忘れられないんだ。

だから、私はここにいる。

母が私をたった1人で育ててくれたこの家に私はいるんだ。