「ああ!今、行った!」


突然大声を上げたかと思えば、わっと起きて部室を飛び出していった。

まさに、刹那的。

一瞬の珍事である。


「あのぉ、ひな先輩どうしたんですかぁ?」

「あぁ。実はだな...」


ワンコの話によると、ひなさんは学校に迷いこんだ猫をずっと追っているらしい。

どうやら一目惚れのようで、1日中あの調子だそう。


「ひな先輩って猫がお好きだったんですね。わたしは断然犬派ですけど。特にマルチーズ。あれは可愛いですよねぇ」

「うんうん。僕もマルチーズ好きだよ!」


見事なまでの同調。

必死過ぎで分かりやす過ぎ。

好意をまるで隠す気無し。


「もちろんゆっち先輩も犬派ですよね?」

「あー。猫アレルギーだから触れないんすよ」

「で、犬の中だったらこれを推すみたいなのありますか?」


犬の中だったら...。

うむ。

あやつ、1択。