「お~い、由紗ちゃん!」


廊下を歩いている時に堂々と私を名前を呼ぶのはあの人しかいない。

私は無視して歩き続けていたが、ドタドタと迫って来た彼女に捕まった。


「ね~、無視するなんて酷いよ~」

「新学期早々なんすか?」

「なんすか、って酷いわね~。今回は私が案件見つけてあげたっていうのに~」


美郷先生からのお願いといえばすぐに思いつくものがある。

見つけるとかそういうものではないだろう。

3年に1回、やって来るものなのだから。