「ワンコ...言ってください。今、周りに誰もいないので、私にちゃんと言ってください」


その直後だった。

息を吸う音が聞こえ、言の葉が夜風に乗り、私の胸まで来て、その深淵に降りた。


「久遠が楽しめて良かった...。

久遠は自分を犠牲にしても他人をって考えるから、ずっと...ずっと......心配、だったんだ。

でも、それなりに楽しく過ごせたんなら、本当に良かった。

久遠の声聞けてほっとしたし、そろそろ電話切るな」