私はささっと移動し、にゃんにゃんの隣に腰掛けた。

壇上には汗だくの前原さんと涙ぐむ桃井さんが向かい合っている。

そこから放たれるオーラは神聖でありながら、優しくて温かい。


「では、これから誓約の儀を行います。まず初めに新郎、前原友紀さん。あなたは新婦桃井楓花さんのご病気に対する理解を示し、献身的に支え、彼女を世界一幸せにすると誓いますか?」


ひなさん、オッケーっす。

ベリーグッジョっす。

そして、前原さんがひなさんの目を見つめる。


「はい、誓います」

「では、新婦、桃井楓花さん。あなたは笑顔を絶やさず、新郎を癒し、その想いの果てでも愛し続けることを誓いますか?」


桃井さんの肩は小刻みに震え、今にも倒れそうになっている。


「楓花」


前原さんが桃井さんのか細い肩にそっと手を乗せた。

うんうんと頷き、大丈夫だと伝えている。

ひなさんも優しい眼差しで2人を見つめる。

必死に呼吸を整える桃井さん。

焦らないで下さい。

大丈夫、

大丈夫っすから。

ちゃんと皆、

桃井さんの涙の先の笑顔を待ってますから。