――ガシャ。


――バタンっ!


ドアが激しく音を立てた。

そして、その向こうからかすかに人影が見えた。


「大問題発生っす」

「久遠?!」


さっき出て行ったばかりだったような...。

それにしてもこんなに焦ってどうしたんだ?

久遠が焦るなんて珍しい。

これは事件の予感だ。


「相手の方の指輪を用意してなかったっす。完全に忘れてました」

「じゃあ今からサイズ聞いて買いにいくしかないな」

「そうなんすけど、私は桃井さんのところ行かなきゃなんで行けないんすよー」


ってことは、

これはもしかして......


「なんで、明日学校帰りに行きます」


いや、待て。

そこはオレがいかねえと......


「オレが行く。そんくらいオレにも出来る。やらせてくれ」


じーっとまるで殺人犯を見るような目付きで久遠はオレを見ていた。

が、数秒後......。


「んじゃあ、ワンコ、よろしく頼むっす」

「へい。頼まれた。んじゃあ、行ってくる!」


やっとオレにも仕事が回ってきた。

ここでちゃんと白旗あげてやる!

オレは自転車の前かごにリュックを乱暴に乗せると勢い良く校門を飛び出したのだった。