「ワンコ、この辺でいいっす」

「えっ?まだじゃねぇの?せめてあと10分くらい漕ぐけど」

「いや、大丈夫っす。ここまでありがとうっす」

「まぁ、はぁ、どういたしまして」


半強制的ながらこういう時にお礼が言えるのはさすがだし、さっきみたいに何気ない言葉で人の心を温められるのは久遠の才能だと思った。

ごめん、久遠。

さっき思ったこと、訂正する。

久遠は......いいヤツだ。

さりげない温かさで人を癒せるすごいパワーを持つ天才だ。

あの一言がオレを救ってくれた。

ありがとな、久遠。