「久遠、しっかりしろ。元気出せよ。オレがお前の歌、聞いてやるから。ほら、十八番でも歌えよ。久遠の十八番なんだよ?入れてやるから教えてくれ」


iPadよりも重量感のある機械をペンで操作していく。

へぇ、こんな感じなのか。

履歴も見られるし、年代別のおすすめ曲なんかも載ってるんだ。

ほぉ、すげえじゃん。

カラオケボックスになんて小学生の町内会のイベントで来た時以来だから久しぶり過ぎて忘れていた。

しかもオンチだし、歌なんて極力歌いたくなくてずっと避けてきたんだよな。

ってか......


「久遠がカラオケ好きって意外だな。カラオケなんてくだらないっすよーとか言いそうなのに」


と久遠のモノマネを交えて言ってやったのに、反応なし。

なんか、マジで様子がおかしい。

こんなにおとなしい久遠は出会ってから今までで初だ。

一体どうしたんだ?