【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】


間違いない、と一人頷いている。ばかかわいい幼馴染の言葉に呆れて、頭をぐしゃぐしゃに撫でまわした。


「ばーか」

「あ、暴言」


魔性はこっちのセリフだっての。

口に出さずに会社のエントランスまで来て、エレベーターの前で別れる。


まっすぐに歩く後ろ姿は、さっきまで俺の横を必死でついてきていた女には見えない。

どこか凛とした大人の女性に変わってしまっている。

あのふにゃふにゃの甘えたが、俺だけに適応されているのだと思うと、結局俺は柚葉を甘やかしてしまう。


「ま、いいか」


諦めて、どうでもよくなるまで、面倒を見てやろう。柚葉の魔性に取り憑かれる患者は、増える一方だ。


「峯田くん」

「……はい」


ふりかえって、その場に立ち尽くしている女性と目が合った。

同じ課の期待のエースが俺のほうに歩いてくる。

橘の直属の部下だったらしい園部は、どちらかというとあまり表情の動かない、クールな印象の女性だ。あくまでも、あまり知りあっていない間柄に適応されるイメージなのだが。


「……佐藤さん」

「はい」

「っかわいい……、今日もかわいい」

「ああ、はい」


またはじまった。

園部のこの姿を初めて見たのも、柚葉との昼を終えた後だった。ミーティングルームに呼び出されてみれば、開口一番に「佐藤さんとはどういう関係なの?」と凄まれてしまった。