続けられた言葉を聞いて、胸が詰まる。
俺と同じ感情を、学さんも持っているらしい。
「うん? そうくん?」
思い出のおかしさに、笑えてしまった。
散々世話した俺よりも早く結婚相手を見つけて、円満な生活を送っている柚葉の不思議そうな顔を見ながら、そばを食べ終わって箸を置く。
「ごちそうさま」
「あ、まって……」
「まだ時間ある」
焦って口に入れようとしているところに声をあげて、ゆっくりと食べ始めた姿を見つめている。
週に一度、どんなことがあっても、必ず一緒に飯を食うようにしていた。柚葉はどんな約束が入りそうでも、必ず俺を優先してくれていたことを知っている。
「橘に、金曜会うなって言われたら、もうやめろよ?」
「うん?」
邪魔したいわけじゃない。
結局自分でも、自分自身の感情が難解すぎて、うまく掴めていないのだろう。どこまでも大切で、何よりも大事にしてきた。
柚葉がそうしていたように、俺も金曜のこの時間は、なにがあっても空けるようにしていた。
ただしく初恋だった。
うまく話せない俺の手を引いて、どんな暴言を吐かれても、泣きながら側にいてくれた。
やさしいのはずっと前からで、困った相手をすぐに考えもなく助けてしまうような、まっすぐな女の子だった。


