【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】

最後にくるりと柚葉を回して、乗せていた柚葉の手をやわく離す。

もしもそんな日が来るのなら、その時も俺は、びえびえ泣きわめく柚葉に呆れながら、その髪を撫でてしまうのだろう。


「なんかあったら、連絡しろよ」

「ふふ、やっぱりかっこいいね」

「ああー? うるせ、ブス」

「そうくんに迷惑かけないためにも、結婚できてよかった」


柚葉の低い熱が残ったままの指先が、力をなくしてだらりと垂れ下がる。

俺を見る柚葉の瞳は、あくまでもやわく微笑んでいた。


ずっとそばにいた。

きっと柚葉もわかっているだろう。俺たちの距離は、あきらかに近すぎる。何もなければ、きっと柚葉は、俺の隣を歩くことになっていただろう。


「そうくん断ち、頑張ります」


かわいい女の子だった柚葉は、とっくに大人になってしまった。気づきたくなかっただけなのかもしれない。


「そうくんの結婚式、私がお友達代表のスピーチしていい?」

「却下」

「あ、即答かあ」

「誰が嫁にお前のスピーチ聞かせるかよ」


そのスピーチの内容の全部が、俺の初恋の女とのバカバカしい記憶になってしまうだろう。結婚相手が聞きたいはずもない。

苦笑して、残念そうな顔の柚葉を見つめた。


「なにしけた顔してんだよ、ブス、ハゲ」

「ええ~! だってなんか、そうくん断ちするの、もうさみしい」

「はあ?」

「いや、頑張るけど……」

「別に誰も幼馴染やめるなんて言ってねえだろ」