相変わらずの柚葉のペースに苦笑しながら、結局リクエスト通り、昔教わった形で柚葉の手に触れる。
「もう覚えてねえよ」
「ええ、でもなんか、できてるよ」
「適当だ、アホ」
「そうくん、すごいね」
何度も練習したから、いまだに覚えている。
いまだに覚えている拙いステップに、笑いそうになった。
柚葉と練習する気にはなれなくて、部屋で一人、何度も練習した。初めて合わせた時に、柚葉がまた「そうくんはすごい」と目を丸くしていた記憶がある。
見るからに重量感のあるドレスに包まれた柚葉は動きづらそうだ。そんな中でもわざわざ俺のところまで来てくれていたらしい。
「待ち伏せしてたのか?」
「あはは、バレちゃったね。マナくんに、そうくんと二人っきりで会いたいってお願いしてたの」
「あっそ」
すこしも悟らせてくれなかった。さすが学さんだ。
まさかこんな展開が待っているとは思わない。柚葉のオーダー通りに軽く回って、どこまでもたのしそうに笑う瞳を見つめる。
「踏みそ」
「わあ、気をつけなきゃ」
「柚」
「うん?」
きれいに化粧を施した顔で、いつもと同じく無邪気に笑っていた。
心配ばかりをかけさせてくる幼馴染だった。
昔から危なっかしくて、そのくせどこか大胆で、見ていて飽きない、ただ一人の女の子だった。
「結婚、オメデトウ」
「ふふ、何? その言い方」
「ひとまず、振られなきゃいいな」
「あはは、すぐ振られちゃったらこまるなあ」
そんな日が来るとは全く思えなかった。
「もう覚えてねえよ」
「ええ、でもなんか、できてるよ」
「適当だ、アホ」
「そうくん、すごいね」
何度も練習したから、いまだに覚えている。
いまだに覚えている拙いステップに、笑いそうになった。
柚葉と練習する気にはなれなくて、部屋で一人、何度も練習した。初めて合わせた時に、柚葉がまた「そうくんはすごい」と目を丸くしていた記憶がある。
見るからに重量感のあるドレスに包まれた柚葉は動きづらそうだ。そんな中でもわざわざ俺のところまで来てくれていたらしい。
「待ち伏せしてたのか?」
「あはは、バレちゃったね。マナくんに、そうくんと二人っきりで会いたいってお願いしてたの」
「あっそ」
すこしも悟らせてくれなかった。さすが学さんだ。
まさかこんな展開が待っているとは思わない。柚葉のオーダー通りに軽く回って、どこまでもたのしそうに笑う瞳を見つめる。
「踏みそ」
「わあ、気をつけなきゃ」
「柚」
「うん?」
きれいに化粧を施した顔で、いつもと同じく無邪気に笑っていた。
心配ばかりをかけさせてくる幼馴染だった。
昔から危なっかしくて、そのくせどこか大胆で、見ていて飽きない、ただ一人の女の子だった。
「結婚、オメデトウ」
「ふふ、何? その言い方」
「ひとまず、振られなきゃいいな」
「あはは、すぐ振られちゃったらこまるなあ」
そんな日が来るとは全く思えなかった。


