【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】



俺も覚えているなんて言えなかった。ばかばかしい自分の精神に、笑ってしまいたい。柚葉は俺の言葉など気にすることなく「夢じゃないよ」と笑っていた。


「そうくん、ダンスする?」

「ああ?」

「学習発表会でしたの、覚えてない? くるくる~って回って」

「しらね」


その日の写真は、今も俺の部屋のフォトフレームに飾られてある。

柚葉にプレゼントされたフォトフレームに、その日の写真を入れたのは俺だ。

どうせ、柚葉は知りもしない事実だった。

即答する俺を無視して、レースがあしらわれた柚葉の指先が俺の腕に触れた。


「ダメ?」

「無理」

「すこしだけ」

「お前な……」


勘違いされるからやめろと何度も言ったのに、簡単に触ってくる。

咎めるようにじろりと睨みつけたら、柚葉がすぐに「そうくんだから触ってもいい」と自分ルールを発動させた。


「んだよそれ」

「だってそうくんも私のこと普通に触るし」

「花嫁が知らん男にべたべたしてたら嫌だろ」

「幼馴染に一番に見せたいって言ったら、笑って送り出してくれたよ」


それは間違いなく、嫌われたくないがために笑って送り出したのだろう。もしくは幼馴染が男だと思っていなかったのかもしれない。