【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】


柚葉が腕の中で、かわいらしく笑っている。

あまい唇に唆されるように起き抜けのまま、やわく唇を合わせた。軽く離して、すぐ近くから覗き込む。

瞳はいつもまるく開かれていて、零れ落ちてしまいそうだ。


「りょうがさん?」

「あー……、かわいい」


いつもその目で、じっと俺を射抜いている。

たまらなく愛おしいまなざしに、結局また触れたくて仕方がなくなる。

顎に手を伸ばして、やさしく上を向かせる。もう、俺が何をしようとしているのか、わかってしまったらしいつまが、すこし困ったような瞳をしながら俺を見つめていた。


「もういっかい」


気の抜けた声が出る。

俺の締まりのない表情にも、柚葉は呆れることなく、ゆっくりと瞼を下した。

これが平日なら、必死で抵抗されるのだが、休日はとてもいい。かわいい奥さんは、俺の執着心に付き合って、ベッドから出ずにこうして愛されてくれる。


「ゆず」

「ん、ぅ」

「ゆずは」

「りょ、う」

「好きだよ」


隠す必要もなくなった言葉を吐いて、ちゅう、と唇を離す。

すでに体温が上がってしまった柚葉の指先に手を絡めて、薬指に嵌めた指輪の形をなぞる。ずっとつけていた指輪は、当然ながら柚葉の体温に馴染んでいて、あたたかい。