おいしい料理を食べてはレシピを聞いて「今度作ったら、食べてくれますか」と言ったり、自然と俺の隣に座ったり、とにかく感情が忙しかった。
素直になっている柚葉は危険だ。
「かわ、」
「キスしたい」
告げて、くるりと柚葉の身体を自分の体の上に乗せた。
結婚報告は、ほとんど柚葉がまとめたもののような気がする。苦笑しつつ、すぐ近くにある柚葉の頬を撫でる。
片手は柚葉の腰を俺の腹に押し付けて、しっかり動きを封じ込めている。
逃がさない。
じっと感情を込めるように見つめたら、柚葉はそらすことなく俺を見つめ返してくる。逸らせないのかもしれない。
かわいらしい瞳だ。
「うまく行きましたね」
「う、ん? うま、く?」
「うん。もう、きみは俺と結婚するしかないです」
「ええ?」
両親に報告して、やっぱりやめますということはないだろう。頬をまるく撫でて、やさしく囁いた。
「もう、俺のものだ」
「りょう、」
答えは聞かずに顔を浮かせて口づける。
柚葉が無価値だと思っているのなら、俺がすべて奪ってしまおう。頬を撫でていた手を後頭部にのせて、弱い抵抗をばらばらに砕いてしまった。
「まっ、」
「たくさんもらうって、言いました」
「あっ……、ま、」
「柚葉さん、俺に跨って、襲ってるみたいでかわいい」
「おそって、な」
実際にはどう見ても捕食される小動物にしか見えないだろう。俺の適当な言葉で慌てる柚葉に笑って、深く口づける。


