【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】


おいしい料理を食べてはレシピを聞いて「今度作ったら、食べてくれますか」と言ったり、自然と俺の隣に座ったり、とにかく感情が忙しかった。

素直になっている柚葉は危険だ。


「かわ、」

「キスしたい」


告げて、くるりと柚葉の身体を自分の体の上に乗せた。

結婚報告は、ほとんど柚葉がまとめたもののような気がする。苦笑しつつ、すぐ近くにある柚葉の頬を撫でる。

片手は柚葉の腰を俺の腹に押し付けて、しっかり動きを封じ込めている。

逃がさない。

じっと感情を込めるように見つめたら、柚葉はそらすことなく俺を見つめ返してくる。逸らせないのかもしれない。

かわいらしい瞳だ。


「うまく行きましたね」

「う、ん? うま、く?」

「うん。もう、きみは俺と結婚するしかないです」

「ええ?」


両親に報告して、やっぱりやめますということはないだろう。頬をまるく撫でて、やさしく囁いた。


「もう、俺のものだ」

「りょう、」


答えは聞かずに顔を浮かせて口づける。

柚葉が無価値だと思っているのなら、俺がすべて奪ってしまおう。頬を撫でていた手を後頭部にのせて、弱い抵抗をばらばらに砕いてしまった。


「まっ、」

「たくさんもらうって、言いました」

「あっ……、ま、」

「柚葉さん、俺に跨って、襲ってるみたいでかわいい」

「おそって、な」


実際にはどう見ても捕食される小動物にしか見えないだろう。俺の適当な言葉で慌てる柚葉に笑って、深く口づける。