【12/18番外編更新】あまやかしても、いいですか?【完】



「お父さん、遼雅さん、すてきな人だよね」

「うん……? うん。そうだね。かっこいい男の子だね」

「ふふ、そうなの。遼雅さんが、私と結婚しても良いよって言ってくれたの」

「そうかあ。さすが柚だなあ」

「さすが? ではないけど、精いっぱい遼雅さんの力になれるように頑張るね」

「柚葉は偉いなあ。遼雅さんに迷惑をかけないように」

「はい」


とんとん拍子に話がまとまって、にっこりと微笑まれる。

父の扱いは、やはり娘が一番よく知っているのだろうか。横を見れば、すっかりリラックスした瞳が笑っている。

流されているようで、自分でしっかりとその場での最善を尽くそうとする女性だと思う。だからこうも、惹かれて、求めてしまうのか。


「……迷惑なんて、とんでもない。いつも柚葉さんに支えていただいています」

「そうか。柚葉も立派になったな」

「すばらしい女性です。そばに在る権利が欲しくて、突然お邪魔してしまいました。申し訳ありません」

「遼雅くん、本当にかっこいいなあ」


感心したような声に頭を下げて、やはり苦笑がこぼれ出てしまった。

これは、俺が説得したと言うよりも、娘可愛さにころりと結婚を認めてしまったようなものだろう。こちらはほとんど話を聞いているだけで、あっさりと認められてしまった。