「た、べてます、いつも遼雅さんと、同じごはん」
「ん~、やっぱり羽根かな?」
「ふふ、もう」
やさしくソファに下ろされて、すぐ隣に座った遼雅さんに口づけられる。私の髪に触れて、梳くように耳にかけてくれた。
至近距離で視線が交わる。
「それで、なんだってからかわれたんですか?」
「あ、うーん、大したことじゃないけど」
「そろそろ子どもの顔が見たいって?」
くつくつと喉で笑って、けろりと囁かれた。
私の頭にそれが浮かんでいることに、遼雅さんは初めから気づいてしまっていたらしい。気恥ずかしくなって頬を両手で覆ったら、どこまでもあまい瞳に見つめられてしまった。
「かわいい顔、隠さないで」
「う、あ……、はずかしいです」
「なんで?」
「まさか、そんなことをからかわれるなんて……」
「あはは、からかってなんかいないだろうと思うよ。会長、柚葉のことは娘みたいに可愛いがってるからね」
会長を思い浮かべているのか、呆れのような、安堵のような顔をした遼雅さんが笑って、私が頬に触れている指先をやさしく剥がしてしまった。
当然に、隣り合った手が繋がれてしまう。
「期待には応えないと」
「ええ?」
「うん? だって俺たちの恩人だよ」
「それは、そう、ですけど……」


